観葉植物の剪定方法|切る場所の見極め方や形を整えるコツについて

剪定は観葉植物を育てる上で欠かせない作業の一つです。生長をコントロールしたり、見栄えを良くしたり、さらに枝の数を減らして、健康的な株にしたりするために行います。定期的に剪定をすることで樹形をコンパクトに維持でき、美しい葉や花を観賞し続けることが可能です。

しかし、いざ剪定をしようと思っても、「枝葉を切って枯らしてしまわないか」「どこを切ったら良いのか」などの不安や疑問をいただいている方も多いのではないでしょうか。

大事な観葉植物だからこそ剪定がしにくいとは思いますが、伸び過ぎた枝葉をそのまま放置し続けるのは、逆に植物にとって大きなストレスとなる場合もあります。だからこそ、ここで剪定方法をマスターし、お手入れを行なってあげましょう。

この記事では、剪定をする目的から適切な時期や方法、剪定後にするべきこと、必要な道具までと、たっぷりと紹介。「剪定をしてみたけれども難しい」と思っている方も、この記事を読んで基本を押さえれば、きっと剪定に対する不安もなくなるはずです。ぜひ最後までお読みいただき、剪定に対する基礎知識を身につけていただければと思います。

目次

観葉植物の剪定を目的5つ

そもそも選定はなぜ行うかというと、以下のいずれかを目的としていることがほとんどです。

  • 樹形を楽しむため
  • 栄養を効率よく流すため
  • 背丈を抑え、生長をコントロールするため
  • 光が当たらない葉っぱを作らなくするため
  • 蒸れを防ぐため
  • 病害虫の繁殖を防ぐため

樹形を楽しむため

1つ目は、樹形を楽しむためです。観葉植物の中には、生長が早い植物があります。人気の植物でいえば、例えばパキラやポトスなどです。

これらは短期間の間にぐんぐん新しい枝葉を伸ばします。

ここで問題になるのが樹形です。もちろん好みが分かれるところではありますが、樹形はできる限り整っていた方が、インテリアとしては安心するもの。

そこで、育ちすぎた枝葉を、全体のバランスを見ながら切り落とすことがあります。これが樹形を楽しむことを目的とした剪定です。

栄養を効率よく流すため

植物全体で見ると、残念ながら特定の葉っぱが枯れてしまったりすることはよくあります。

新陳代謝で黄色くなっていった葉っぱであれば、自然と葉っぱが落ちることが多いですが、葉焼けだったり、傷がついてしまった葉っぱは自ら落ちるとは限りません。

そこで、これらの葉っぱを剪定し、健康な葉っぱに栄養が行き渡るようにします。

細かい作業にはなりますが、これが植物の健康を保つ秘訣にもなります。当店でも植物の健康管理のため、栄養効率のための剪定は日頃から行なっています。

背丈を抑え、生長をコントロールするため

また、背丈を抑え、生長をコントロールする、というのも剪定の中では大事な意味をなすものです。

基本的に植物は、枝の先端に生長するための養分を多く送る性質があり、幹・太い枝・細い枝の順に伸びます。種類によっては1年で枝葉が50cm以上伸びるものもあり、幹や枝の数が多過ぎると樹高が3mを超える高木になったりする場合も。さらに、剪定がされていない植物は美しい葉が出にくかったり、花芽や実の付きが悪くなったりすることもあります。

観葉植物の背が高くなり過ぎると、天井に当たって茎や幹が折れたり樹形が乱れたりします。

剪定を定期的に行うことで、幹や枝の先端の養分の流れが遮断され、新しい枝葉が複数に伸びて美しい葉が出るようになり、花芽や実の付きも良くなるため、観賞する価値が高くなります。植物を傷付けるリスクも減り、周りにある植物や置物に傷付ける心配も少なくなります。

光が当たらない葉っぱを作らなくするため

あまりにも葉っぱが茂りすぎると、日光が当たらない葉っぱも出てきます。全く日が当たらない葉っぱは、黄色くなって枯れることも多く、この状態がずっと続くようであれば剪定が必要なサインです。

剪定で茂りすぎの状態を解消し、全体に日光が当たるようにし調整しましょう。

蒸れを防ぐため

葉っぱが茂りすぎることで生じるもう一つの問題が、蒸れやすさです。特に湿気の多い夏場などは、蒸れがなかなか解消されないと、植物の健康状態に大きく関わります。

場合によってはカビなどが原因で根腐れしてしまったり、病気にかかることもあるので、風通しを良くする意味でも剪定は重要です。

病害虫の被害にあわないようするため

上記の蒸れとも関連しますが、蒸れている状態が続くとハダニやカイガラムシなどの害虫が寄り付きやすくなったりする場合も。

症状が悪化すると観葉植物が枯れてしまうだけでなく、その周りの植物にも被害が広がってしまうこともあります。被害が広がる前に処分するなどの対策が必要になる場合もあります。

観葉植物の枝葉が伸びて鬱蒼(うっそう)とした見た目になったときは、剪定をしてすっきりとさせましょう。植物は健康的な株に生長し、病害虫の被害にあいにくなり、二次災害も防げます。

観葉植物の剪定の種類

続いては剪定の種類です。剪定といってもやり方は複数あり、頻出する単語もあるので、ここで覚えておくと他の情報サイトやレクチャー動画を見る時にも話が理解しやすいと思います。

弱剪定

弱剪定は、太い枝など骨格的な部分には手をつけず、混み合った枝や葉っぱを剪定し、形を整える程度に止める剪定です。

根幹的な部分には手をつけないため、植物にかけるストレスは少なく、これで植物が枯れてしまうとうことはまずないでしょう。

強剪定

一方の強剪定は、太い枝など、植物の骨格的な部分に手をつける剪定です。オリーブなど、かなりの茂りが出てくる植物に用います。

イメージとしては「リセットして再生長を促す」といった感じです。かなりの枝葉を落とすことになるので、栄養効率は残った枝葉に対しとても良くなります。

ただし、植物へかかるストレスも大きく、弱っている株や冬など生長が止まって時期などに行うと、そのまま枯れてしまうリスクもあります。

後述しますが、強剪定を行う際は、時期などを守って行うことが大切です。

ワンポイントアドバイス

葉っぱを1枚程度しか残さない丸坊主

葉っぱを1枚〜2枚程度残す、極度の強剪定もあり、「丸坊主」などと呼ばれることもあります。1〜2枚残すのは、光合成をする葉っぱを残しておくためです。当店でも、入荷直後著しく体調を崩してしまった株に行ったことがあり、その後復活した事例もあります。あまり行うことはないかと思いますが、一言コラムとして残しておきます。

注意事項

太い枝を切る場合は慎重に

剪定し過ぎてしまうと、観葉植物の樹形や樹高に良くない影響が出る可能性もあります。幹から伸びる太い枝を切る場合は、慎重に切りましょう。
観葉植物の太い枝を、中心の幹の近くまで切り戻し過ぎたりすると、株の内側に穴があいたような不自然な樹形になりやすいです。また、幹の胴回りから出る太い枝を切り落としてしまうと、幹の先端周辺から伸びる太い枝に、栄養が集中して流れるため樹高が高くなり過ぎることもあるので注意しましょう。

透かし剪定(間引き剪定)

枝葉の数を減らして、日当たりと風通しを良くし、木全体の形を整える「透かし剪定(間引き剪定)」。枝同士がぶつかってしまう箇所や、近い位置で同じような枝を切るときに行います。芽を残さないで切る剪定なので、切った箇所から新芽が出にくくなります。

切り戻し剪定

切った箇所から枝を分岐させ、枝数と花芽を増やすために行う「切り戻し剪定」。真っ直ぐに伸びる1本の枝の先端を切り戻すと、切った箇所から新しい枝葉が伸び、樹形が変わります。ただし、花芽ができた後に切り戻し剪定をしてしまうと、そこから花が咲かなくなります。

切り詰め剪定

伸び過ぎた枝葉を短くして、株全体のサイズを小さくするために行う「切り詰め剪定」。長く伸びた1本の枝を、枝分かれした箇所で切り、残した方の短い枝に養分が流れるようにします。

樹形を整えるための切り方のコツ

観葉植物の剪定にはコツがあります。基本的な切り方とは別に、下記2つのコツを知っていれば、より美しい観葉植物に仕立てられます。

  • 枝分かれ箇所・節目の数ミリ上で切る
  • 外芽を残しながら切る

①枝分かれ箇所・節目の数ミリ上で切る

植物の茎や幹には、生長点ともいわれる「節」があります。節と節の間で切ったり、枝を中途半端に残したりすると、新しい枝葉が無数に出てしまい、不自然な樹形になりやすいです。株の内側が混みやすくなり、日当たりと風通しが悪くなる場合も。

観葉植物の枝葉を切るときは、必ず生長点である節目、または枝分かれした付け根の数ミリ上で切りましょう。切る位置が幹に近いと傷口の治りも早くなりますが、反対に近づき過ぎて、えぐるように剪定をすると枝枯れしてしまうこともあるので注意します。

②外芽を残しながら切る

植物の枝は、株の外側に向かって伸びようとする芽(外芽)と、株の内側に向かって伸びようとする芽(内芽)があります。剪定をするときは、できるだけ外芽を残すように枝葉を切り落としましょう。

内芽を残して剪定をしてしまうと、不要な枝が伸びやすくなったり株の内側が混みあったりします。外芽を残すように剪定すれば、切った箇所が外から見えにくくなり、より自然な樹形にも見えます。

枝の出し方に応じて切り方を合わせる

植物は、種類によって枝の出し方が違います。そのため混み合い方も違うので、枝の出し方にあわせた切り方をすると、観葉植物のたたずまいが美しくなります。

①互生の場合

一本の枝に対して、枝葉が互い違いに両サイドから伸びる性質を「互生」といいます。先端に行くほど枝同士の間隔が狭くなるので、混み合わないように枝の数を減らします。枝同士の間隔の狭い箇所を中心に切り落とします。

②対生の場合

一本の枝に対して、枝葉が対になるように両サイドから伸びる性質を「対生」といいます。互生のように互い違いになるように、枝葉を剪定していくのがおすすめです。

③輪生の場合

一本の枝に対して、枝葉が1箇所から3本以上伸びる性質を「輪生」といいます。対生の枝のように、1箇所から枝葉が2〜3本程度になるように、数を減らして剪定しましょう。

失敗しない!観葉植物の剪定の流れ

観葉植物の剪定時期やタイミングがわかれば、あとはやり方を覚えるだけです。適切な手順通りに行えば、観葉植物の見た目が悪くなりにくく、枯らすことも少ないです。

さらに、生長の流れを悪くさせることも少なく、剪定後も健康的に育ってくれるでしょう。

ここでは、観葉植物の剪定方法を4つの手順で紹介します。

  1. 観葉植物の理想の高さ・幅のラインを決める
  2. ラインに沿って大まかに剪定
  3. 混み合った枝・不要な枝を剪定
  4. 形を整える

ただし、今回紹介する剪定方法は、ドラセナ、ユッカ、コルジリネなどの観葉植物に適切ではありません。枝分かれをしにくく、幹が一本で伸びるような樹形に生長するので、枝の数が極端に少なく不要な枝が出にくいです。

変わった樹形をした観葉植物は、幹を切って芯止めをしたり、過密になった葉を手で摘み取ったりして、見た目をすっきりとさせることが最適です。

Step1. 観葉植物の理想の高さ・幅のラインを決める

まずは、観葉植物の理想の高さと幅のラインを決めてから剪定すると、失敗するリスクが減ります。四方八方に伸び過ぎた枝葉をなんとなくでバツバツと切っていくと、切り詰め過ぎたり、透かし過ぎたりしてします。

観葉植物の見た目が悪くなるだけでなく、切った箇所から枝が無数に伸びてしまい、次回に行う剪定が難しく作業量が増える場合も。剪定作業が大変になってしまうので、枝葉の切る位置をある程度決めておきましょう。

骨格も決める

観葉植物の理想の高さと幅のラインを決めるときは、樹形となる木の骨格にも着目しましょう。外から見たときに、木の形がバランス良くなっているとたたずまいが美しく、インテリアとしても景色が映えます。

太い枝や幹がうっすらと透けて見えるように、木の骨格となる枝葉を残しながら切りましょう。

Step2. ラインに沿って大まかに剪定

Step1で決めたラインの外側に出ている立ち上がって長く徒長した枝葉を、枝分かれしている箇所、または節目まで切り戻すように剪定をします。できるだけコンパクトにしたい場合は、株の内側の枝分かれした箇所まで切ると高さを抑えられます。片手で枝葉をつまみ、引っ張りながら切ると剪定しやすいです。

ある程度剪定ができたら、何度か遠くからも見て、観葉植物全体のバランスを整えましょう。

芯止めをして背丈を調整する

観葉植物の高さをおさえたいときは、木の中心にある太い幹を切り落とす「芯止め」をします。好みの高さの位置にある節目から、数ミリ上を切り戻しましょう。不自然な樹形にならないよう、理想の樹形をイメージしながら、全体のバランスを整えてくださいね!

ワンポイントアドバイス

芯止めとは?

樹木の中心にある主幹(主軸となる幹)の先端を切って、上に伸びようとする生長を止めることです。先端を切ることで、切った箇所のすぐ下の幹や枝に養分が流れるようになり、樹形を横に広げる役割があります。

Step3. 混み合った枝・不要な枝を剪定

枝葉が重なり過ぎて、株の内側に陰ができてしまうような箇所は、枝分かれしている箇所や根元から切り落としましょう。不要な枝が伸びていると葉が小さくなったり、花芽・実の付きが悪くなったりします。このとき、枯れた枝も全て取り除きます。

不要な枝の種類

観葉植物の不要な枝には、以下の種類があります。

  • 内向枝:株の内側に向かって伸びる枝
  • 交差枝:枝同士が十字に交差する枝
  • 絡み枝:太い枝に絡みつくように伸びる枝
  • 立ち枝:横に伸びている太い枝に対して、直立したように上に強く伸びる枝
  • 徒長枝:株から強く飛び出すように、太く長く伸びる枝
  • 平行枝:近い位置で平行に同じ方向へ伸びる枝
  • 逆さ枝:地面に向かって伸びる枝
  • 胴吹き枝:根元に近い幹から強く伸びる枝
  • ひこばえ:根元から生える若い枝

どの枝も、株の内側の日当たり風通しを悪くさせ、美しい葉・花・実を観賞させにくくさせます。樹形を乱し原因にもなるので、できるだけ全て切り落としましょう。

Step4. 形を整える

最後に、仕上げのラインとなるStep1で決めたライン付近の枝葉を整えます。長く伸び過ぎた枝先を切り詰めるように剪定し、輪郭(りんかく)を整えましょう。好みの形になるように枝の数を減らす程度で大丈夫です。

剪定で植物を枯らさないために覚えておくべきポイント2つ

ここまで観葉植物の剪定のやり方についてお伝えしてきましたが、やはり剪定は植物にとって大なり小なりストレスになるもの。

誤ったやり方で枯らしてしまわないためにも、以下を覚えておくようにしましょう。

観葉植物の剪定は避けるべき時期がある

観葉植物の管理の中でも大切な剪定は、植物の生体や生長にあわせて季節を選び、適切な時期に行うことがポイントです。いつでもできるということはなく、植物の負担になりにくくてストレスとならない時期を選ぶ必要があります。

適切な剪定時期は4〜9月ごろ

熱帯や砂漠地帯に自生する観葉植物は、比較的暖かくなって生長期を迎える4〜9月ごろに剪定をします。ベストな時期を選ぶなら、暑くなる前の5〜7月ごろがいいかもしれません。ただし、極端な気温の日に剪定をしてしまうと、枝の切り口から水分が蒸発したり、ストレスを受けたりするので8月の剪定は避けた方がいいです。

また、日本に生息する植物よりも寒さに弱い種類なので、冬の剪定は大きなストレスを受ける場合もあります。休眠期に入っている冬の間の剪定も、できるだけ控えるようにしましょう。

注意事項

強剪定は特に時期に気を付ける

強剪定は植物にとって大きなストレスとなりやすいので、生長の流れに勢いがついているときや温かい時期に行いましょう。植物の種類によっては、強剪定が苦手なものもあるので、生態を調べておくといいです。
樹形の美しかった購入したばかりの苗木を思い出して、すっきりとした見た目に仕立てましょう。

剪定後は植物のケアも行うと理想的

  • 枝の切り口は癒合剤を塗る
  • 日当たりと風通しの良い場所に置く
  • 水・肥料・活力剤を与える

枝の切り口は癒合剤を塗る

観葉植物の剪定が終わった直後に、枝の切り口からウイルスが入らないよう、癒合剤を塗って殺菌とコーティングをしましょう。湿気や蒸れが起こりやすい梅雨の時期は、癒合剤が欠かせません。特に太い幹を切るような芯止めをしたときは、癒合剤は必須。

切った箇所から過剰な水分の蒸発も防げ、傷口の治りも早いのでおすすめです。

日当たりと風通しの良い場所に置く

観葉植物を鉢植えで育てている場合は、剪定が終わったら、風通しが良く日中の強い直射日光が当たらない半日陰に移動させます。湿気が多い場所・日陰過ぎる場所ではカビが発生しやすく、病気にかかりやすいので避けましょう。

ただし、気温が暑過ぎると株が弱ってしまうので、20〜25℃程度の場所で管理してください。

水・肥料・活力剤を与える

剪定後の観葉植物は、新しい芽をよく出そうとするため生長のエネルギーを使います。その生長をサポートするために、水と肥料を適度に与えましょう

鉢の中が乾燥し過ぎない程度に水を与え、速効性のある有機肥料を株元にパラパラとまきます。土の中に指を入れ、中まで乾燥しているか確認することも大事です。

また、水やりの代わりとして液体肥料を与えるのもおすすめです。

ただし、水も肥料も与え過ぎると根腐れや生長不良を引き起こすことも。土の中の水分量や木の様子を観察しながら、与え過ぎに注意してくださいね。

観葉植物の剪定に必要な道具

観葉植物の剪定に必要、またはあるといい道具は以下の5つです。

  • 剪定ばさみ
  • 芽切りばさみ
  • ノコギリ
  • 手袋
  • 癒合剤

また、作業中にはゴミが多く散らばることもあるので、株元に敷いておくと便利なブルーシートや園芸シート、さらに切った枝葉や幹を入れるゴミ袋も用意しておくと便利です。

剪定ばさみ

枝葉を切るのに必要な剪定ばさみは、枝葉や幹を切るのに必要な道具です。グリップ部分がゴム製やシリコン製など滑りにくくて、強い力を入れなくても切れるものががおすすめ。自分の手の形にフィットするような、使いやすいものを選んでください。

長く使っていくうちにはさみの刃がサビやすくなるので、刃にフッ素がコーティングされたものもおすすめです。

芽切りばさみ

木が小さいものや草葉タイプの観葉植物のは、剪定ばさみではなく、切花で使われる芽切りばさみがおすすめ。刃がしゅっと細くなっていて、細い枝を切るのにとても使いやすいです。

ノコギリ

観葉植物の太い幹や太い枝を切るときは、ノコギリを使って切り落としましょう。観葉植物のサイズによっては、ノコギリがないときれない太い枝や幹があります。

剪定ばさみだけで切ろうとすると、枝の切り口の断面が汚くなり、水がたまりやすくなります。切り口が壊死(えし)し、株全体に広がってしまうこともあるので、断面がきれいに切れるものを選びましょう。枝の切り口の断面がきれいに切れ、水がたまりにくいです。

手袋

枝葉や幹を素手で触ると、ケガをする危険があります。事故防止のためにも、観葉植物の剪定をするときは、必ず手袋をして作業しましょう。手のひらや指先にクッション・滑り止めが付いたものが、太い枝などを握りやすく、剪定ばさみも扱いやすいのでおすすめです。

癒合剤

観葉植物が剪定によって枯れてしまわないように、癒合剤を用意しておきましょう。特に太い枝を切るときには必需品です。

また、近年地球温暖化の影響で、6月ごろには気温が35℃を超えることもあります。この時期の剪定でも、観葉植物にはストレスとなりやすく、枝の切り口から水分が抜けてしまい枝枯れする場合も。

しっかりと癒合剤を塗って、すぐに傷口がふさがるように生長のサポートをしましょう

まとめ

観葉植物の生長をコントロールするのに大事な剪定。植物を置いた目的の効果をより高め、健康的にぐんぐんと生長してくれる株にします。

「初心者には少し難しい」「もしかしたら枯れるかもしれない」など、心配することもあると思いますが、思い切って枝葉を剪定することが大切です。放置したままでは、観葉植物は健康的に育ちにくく、枯れてしまうリスクも高まります。剪定の適切な時期と方法を知って、定期的に行なえば、葉や花が美しい観葉植物をいつまでも長く観賞できます。

また、剪定ばさみを使って、適切な切り方とその後の処置をすれば、さらに枯れにくくなるので勇気を出して行ってみてください。必要な知識を知っていれば、「観葉植物の剪定はそんなに難しいことではない」と気付くと思います。

観葉植物の剪定に関するよくある質問

観葉植物が大きくなり過ぎたときはどうやって剪定する?

観葉植物が全体的に大きくなり過ぎたときや、高さを抑えたいときは、5〜7月ごろに太い枝や幹を強剪定しましょう。好みの高さのところで芯止め、切り詰め剪定を行ってサイズを調整してください。

ただし、猛暑日や秋を過ぎた頃では、乾燥や寒さによって枝が枯れたり、株自体が枯れたりする場合もあるので、時期は必ず選びましょう。

また、切り過ぎて見た目が悪くならないように、理想の高さと幅のラインを決めてから剪定してください。最初にイメージするだけで、どこまで枝や幹を切ったら良いかわかりやすく、失敗のリスクも防げます。

小さい観葉植物の剪定方法は?

まず、細い枝葉が伸びるような小さな樹木タイプや、草花タイプの観葉植物は、芽切りばさみで切った方が楽です。剪定ばさみよりも小回りが効き、入り込んだ場所まで刃が入り剪定がしやすいです。

小さい観葉植物の剪定も同じように、最初に理想の高さと幅のラインを決めてから切るようにしてください。その後、決めたラインから飛び出している枝葉や茎を切り、枯れた枝も切り落とします。

株の内側が混み合っている場合は、不要な枝を切り落とし、すっきりとさせましょう。基本的に植物は、切った分だけ反発する性質をもっているといわれています。たくさん切っても、致命的な根元近くの幹を切らなければ、枯れることは少ないです。

また、枝数や茎の数を減らしてあげれば、観葉植物はより大きく生長してくれるので、株の内側の不要な枝葉・茎は全て切ってしまいましょう。心配であれば、植物の様子を見ながら、日にちをあけて剪定するのもおすすめです。

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