ユーカリ・ポポラスの育て方とおすすめの飾り方について

白みがかった茶色い幹が、空へ真っ直ぐと立ち上がり、風に吹かれると丸やハート型の銀葉が、風鈴のようにゆらゆらと揺れ、爽やかな香りをただよわせるユーカリ・ポポラス。

室内ではふわりとした温かみのある優しい印象があり、庭で育てれば花が咲いて華やかな印象があります。生命力が強く、強い剪定(せんてい)にも負けないので、自由に樹形や大きさを整えやすく、室内・屋外のシンボルツリーや目隠し用の観葉植物・庭木としてもおすすめです。

今回は、ユーカリ・ポポラスの特徴や魅力について紹介します。さらに、枯らさないための育て方のコツや適切な剪定の時期と方法、室内でのおすすめの飾り方などについても解説します。

ユーカリ・ポポラス

花言葉 再生、新生、追憶
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です
日当たり 日光を好みます。明るい場所で管理しましょう。
耐暑性 強い
耐寒性 -5℃程度まで管理可能
注意点 乾燥気味を好むので、水の与え過ぎによる根腐れに注意

目次

ユーカリ・ポポラスの基本情報

学名 Eucalyptus polyanthemos
英名 Red box tree、Silver dollar eucalyptus、Silver dollar gum tree
別名 ポリアンセモス、シラカネユーカリ、ツゲユーカリ
科名・属名 フトモモ科・ユーカリ属
特性・形態 常緑性高木
樹高 1〜30m
原産地 オーストラリア東部ビクトリア州・ニューサウスウェールズ州周辺
USDA zone 7a(-17.8〜-15℃までなら耐えられる)
耐寒性 強い
耐暑性 強い
耐陰性 やや弱い
特徴 生長スピードが早い、乾燥に強い、ハーブ
花言葉 新生、再生、慰め、思い出、追憶、記憶、記念、永遠の幸せ
誕生花 1/13、8/22、10/24、10/25、11/7、11/18、12/2、12/26

オーストラリア東部の乾燥した場所に自生しするユーカリ・ポポラスは、冬に葉を一斉に落とさない常緑性の高木。乾燥した大地に根を深く張り、地下水を吸い上げる力が強いため生長スピードがとても早く、自然界では大きくなると樹高が30m程度まで伸びる場合も。鉢植えであれば大きくなっても2mほどですが、定期的な剪定をしないと、樹形が乱れ、高くなり過ぎることもあります。

ユーカリ・ポポラスが自生するオーストラリア東部は、「亜熱帯性気候」と呼ばれ、夏の平均気温は25℃程度、冬は6℃程度です。ユーカリ・ポポラスは、この気温で元気良く育つ植物なので、なるべく同じぐらいの温度を設定して管理するといいです。

しかし、ユーカリの木の中でも寒さにとても強く、氷点下15℃程度までなら枯れることがあまりありません。そのため、観葉植物として販売されるだけでなく、庭木としてもよく使われる人気の樹木です。

ちなみにオーストラリアでは、ユーカリの木のことを「Gum tree(ガムツリー)」と呼んでいます。実はゴムの木のように、ユーカリの木は、樹液が粘着質でゴムのような質感が特徴です。噛むとガムと同じような食感があることから、この名前が付けられたとされています。

また、現在では、ユーカリ・ポポラスには4種類の品種(亜種)がオーストラリアで見付かっています。

ワンポイントアドバイス

USDA Plant Hardiness Zoneとは?

United States Department of Agriculture Plant Hardiness Zone(米国農務省 植物の耐寒性地帯)の略。米国農務省が開発した、寒さの段階を13のレベルに分け、植物の耐寒性レベルを数値とマップで明瞭化した指標です。造園やガーデニングをするうえで、植物がどの地域で、どれくらいの寒さまで耐えられのかを確認するために使います。日本では気象庁の観測データを元に、都道府県市町村ごとにレベル分けされています。
※指標は、植物を屋外で育てたときの目安。
参考:Japan Plant Hardiness Zone

ユーカリ・ポポラスの観賞&手入れの時期

  • 鑑賞期:4〜5月(花)
  • 結実期:7〜9月
  • 植え付け、植え替え:4〜8月
  • 肥料:4〜9月
  • 剪定:3〜5月、9月

ユーカリ・ポポラスの葉・花・実の特徴

ここではユーカリ・ポポラスの葉・花・実の特徴について紹介します。

ユーカリ・ポポラスの葉・・・毒でもあり薬でもある

細い枝から互い違いに丸やハート型の葉を、垂らすように展開するユーカリ・ポポラス。葉は固く、厚紙のようなザラザラとした質感があり、強風にも負けない強さがあります。成木になるにつれ、葉は次第に楕円形(だえんけい)に変化する特徴があります。

ユーカリ属の特徴の1つでもある、灰色みがかった緑の葉には精油(テルペン)が含まれ、アロマや薬として使われることもあるユーカリ・ポポラス。防虫・防カビ、消毒、かゆみ止め、リラックス効果など、多くの効果が期待でき、アロマディフューザーを使えば風邪予防やウイルス除去にもなるといわれることも。

鉢植えや庭木でもかすかに香りがただようので、癒しの効果は期待できそうです。

ただし、「青酸(シアン化水素、HCN)」といわれる毒が含まれていて、血液中のヘモグロビンと結合して酸素を運べなくさせる作用があります。

ユーカリはコアラが食べているイメージが強く、食用にもなると思いがちですが、コアラは毒素を分解させる特別な腸を持っています。コアラ以外の動物にとってはとても危険な植物なので、絶対に口にしないようにしましょう。

ユーカリ・ポポラスの花・・・エキゾチックなクリーム色

4〜5月ごろにかけてユーカリ・ポポラスは、ひし形の蕾(つぼみ)ができると、どんぐりの帽子に似たフタがとれて、中からイソギンチャクの触手のような長い雄しべが展開します。雄しべはクリーム色で中心には雌しべがあり、ネムノキのような姿に似ています。

ユーカリ・ポポラスをはじめ、ユーカリ属は花びらを持たない花が特徴です。また、南半球に位置するオーストラリアでは10〜11月に、ユーカリ・ポポラスの花が咲きます。

ユーカリ・ポポラスの実・・・ラッパのような形がキュート

花が咲き終わるとユーカリ・ポポラスは、長さ3〜6mm程度のラッパに似た実ができます。徐々に茶色く熟し、長く枝に付きます。英語圏では、「Gumnuts(ガムナッツ)」と呼ばれ、

ユーカリ属の種は、ユーカリの精油による自然発火によって起きた山火事と、その後の雨の水によって発芽します。そのため、ユーカリ・ポポラスを発芽させるためには、一度フライパンで炒ったり、ライターなどで火に炙ったりする必要があります。

ユーカリ・ポポラスの花言葉は「新生」「永遠の幸せ」など

ユーカリ・ポポラスの花言葉は、「新生」「再生」「慰め」「思い出」「追憶」「記憶」「記念」「永遠の幸せ」です。

山火事を起こして、種が発芽したり、枝から新しく芽吹いたりすることから「新生」や「再生」の花言葉付けられたといわれています。

ユーカリ・ポポラスの3つの魅力

香りのある葉やエキゾチックな花が咲くユーカリ・ポポラス。観葉植物や庭木など、1鉢あるだけで印象的な空間を演出してくれます。ここでは、ユーカリ・ポポラスの3つの魅力について紹介します。

  • 香りが楽しめる観葉植物になる
  • 室内・庭のシンボルツリーになる
  • 風水効果が期待できる

1. 香りが楽しめる観葉植物になる

精油がたっぷりと詰まっているユーカリ・ポポラスの葉は、かすかに清々しい香りがただよい、観葉植物として室内に置けばより身近に香りを感じられます。手で葉を擦るとさらに強くなり、爽やかな香りを十分に楽しむことも。インテリアとしての役割だけでなく、芳香剤のようなさりげないおしゃれさもあります。

2. 室内・庭のシンボルツリーになる

幹がすっと立ち上がるように真っ直ぐと伸びるユーカリ・ポポラス。背が高くなり、丸やハート型の銀葉もたくさん出るようになるので、室内・屋外のおしゃれなシンボルツリーになります。鉢植えだけでなく、庭で地植えで育てれば、より大きくて立派なシンボルツリーを観賞することもできます。

3. 風水効果が期待できる

丸い葉をたくさん出すユーカリ・ポポラスは、風水では「調和の気」とされ、リラックス効果が高く、気を整えるパワーがあるといわれています。寝室などに置けば乱れていた気が整い、快眠のできる穏やかで落ち着いた空間を演出できます。

また、ユーカリ・ポポラスは、良縁を引き寄せる効果があるといわれることも。良い気や悪い気など、さまざまな気が出入りする玄関に飾ると、新しい出会いがあったり、良い人間関係を築けたりするかもしれません。

ユーカリ・ポポラス

花言葉 再生、新生、追憶
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です
日当たり 日光を好みます。明るい場所で管理しましょう。
耐暑性 強い
耐寒性 -5℃程度まで管理可能
注意点 乾燥気味を好むので、水の与え過ぎによる根腐れに注意

ユーカリ・ポポラスの育て方

ここでは、ユーカリ・ポポラスの育て方のポイントを紹介します。室内と庭で分けて解説するので、どこで育てるのが良いのか、季節や自分が住まわれている地域も踏まえて、管理する場所を決めましょう。

室内で育てる場合のポイント

まず、室内で育てる場合のポイントを4つ紹介します。

  • 日当たりの良い場所で管理
  • 排水性・通気性・保水性のある土で育てる
  • 乾燥気味になるように水やり
  • 活力剤を定期的に与える

Point1. 日当たりの良い場所で管理

室内で育てるユーカリ・ポポラスは、窓際に近くて、朝日と日中の光が差し込むような、日当たりの良い場所で元気良く生長します。日当たりが悪い場所では、暗過ぎるため葉の色味が悪くなったり、枝が徒長して見た目の悪い姿になったりする場合も。できるだけ、カーテンやブラインドで遮光した明るい部屋で管理しましょう。

ただし、西日の当たり過ぎは、ユーカリ・ポポラスの枝葉を徒長させやすく、葉焼けや色変わりを起こす場合もあるので、東や南側の方向の部屋に置きます。

夏と冬の置き場所

観葉植物として販売されるユーカリ・ポポラスは、庭木として販売されているものよりも、極端な光や温度の変化に弱い場合があります。

そのため、適切な場所に置かないと夏・冬の光と温度によって、ユーカリ・ポポラスの株が弱って枯れてしまうこともあります。夏と冬は、光の入り具合や温度を調節できるように場所を移動させましょう。

夏は、朝から昼過ぎまで直射日光が当たり、西日が当たらない風通しの良い場所がおすすめです。東・南側の部屋の窓際や中心部当たりに置くと良いかもしれません。

冬は、直射日光が当たって気温が高い場所になりやすい窓際周辺に置くのが最適です。ただし、冬の夜は気温が急激に低くなりやすく、株にストレスを与える場合も。冬の夜間だけは、窓際から距離をおき、暖房を付けて冬越しをさせましょう。

徐々に光や寒さ・暑さに慣らすことで、ユーカリ・ポポラスは環境の変化にも負けない、強い株へと生長します。

Point2. 排水性・通気性・保水性のある土で育てる

乾燥地帯に自生するユーカリ・ポポラスは、排水性・通気性・保水性が良い土で育てるのがベスト。粘土質になるような硬い土だと根腐れが起こりやすく枯れてしまう場合もあります。

観葉植物用の培養土に腐葉土や赤玉土をよく混ぜ合わせて、ふかふかの土をつくりましょう。このとき、元肥として緩効性化学肥料を一緒に入れておきます。

Point3. 乾燥気味になるように水やり

湿った場所が苦手なユーカリ・ポポラスは、土の中が乾いたら水をたっぷりと与えます。月に2〜3回ほどのペースで水やりをして、土が乾燥気味になるように育てるといいです。

また、土が乾燥した状態と湿った状態とメリハリが付くように水やりすることで、根腐れが起きにくくなり、株が枯れることもあまりありません。

ただし、できるだけ午前中に水やりを済ませましょう。日中の水やりは、太陽の光によって鉢の中が高温多湿な環境になりやすく、ユーカリ・ポポラスの根を傷めやすいです。

夏と冬の水やり

基本的に、ユーカリ・ポポラスは土が乾燥気味になるような頻度で水やりをしますが、夏と冬では少し水やりのタイミングと回数を変えるといいです。

夏は乾燥した状態が長期的に続かないように、土の中が完全に乾いてから水をたっぷりと与えます。

冬は、湿った状態が長期的に続かないように、土の中が乾いてから3日ほどさらに乾かして、水をたっぷりと与えるようにしましょう。また、冬は水を控えるとユーカリ・ポポラスの樹液が濃くなり、寒さにより強くなります。

Point4. 活力剤を定期的に与える

ユーカリ・ポポラスに水を与えるときには、活力剤も一緒に与えてください。生育の流れが良くなり、より元気な株に生長します。

三大栄養素(窒素・リン酸・カリウム)が入った肥料ではないので、多く与えても問題がなく、定期的に与えるのがおすすめです。

ユーカリ・ポポラスの元気がないときや、夏越し・冬越しをするとき、さらに植え替えや剪定をしたあとなどにも与えると生育の流れが鈍くなりにくく、たくさんの美しい銀葉を出します。

庭で育てる場合のポイント

次に、庭で育てる場合のポイントを6つ紹介します。

  • 日当たりと風通しが良い場所で育てる
  • 直径3〜5mのスペースを確保して植え付ける
  • 支柱立てて苗木をしっかりと固定
  • 水やりは雨の水だけでOK
  • 肥料は生長の流れがにぶいときだけで
  • マルチングをして冬越し

Point1. 日当たりと風通しが良い場所で育てる

庭で育てるユーカリ・ポポラスは、日当たりと風通しが良い場所で育てましょう。直射日光が当たる場所なら、銀葉の色味も鮮やかになり、より美しくなります。

ただし、日陰過ぎる場所だと幹や枝葉が光を求めて徒長し、樹高が大きくなり過ぎてしまう場合も。春から夏の間にしっかり陽が当たって、涼しい風が吹き抜けるような暖かい場所に植え付けてください。

Point2. 直径3〜5mのスペースを確保して植え付ける

地面から幹が真っ直ぐと立ち上がり、無数の枝葉が横へ膨らむように生長するユーカリ・ポポラス。株が大きくなったときを想定して、苗木が小さくても、できるだけ広めの場所に植え付けることがポイントです。

最低でも直径3〜5mほどのスペースを確保してから植え付けましょう。植え付けるスペースが狭過ぎると、ユーカリ・ポポラスの枝葉が建物や周辺の庭木にぶつかって樹形が乱れたり、周りの建造物を傷つけたりする可能性も。また、植え付けスペースが広いと、剪定もしやすくなり樹形を整えやすいです。

Point3. 支柱立てて苗木をしっかりと固定

株の上部に枝葉がたくさん集まって、ボリュームが出やすいユーカリ・ポポラスは、強風によって根元から倒木したり、幹が折れたりする場合もあります。苗木を植え付けた後は足で根鉢を踏み固めてから、支柱を立ててしっかりと固定ましょう。

Point4. 水やりは雨の水だけでOK

乾燥した場所で育つユーカリ・ポポラスは、基本的には雨の水だけで大丈夫です。乾燥にとても強い木なので、暑さで土が極端に乾いているときにだけ、水やりをしてください。

ただし、ユーカリ・ポポラスの苗木を植え付けたあとから、根がしっかりと張るまでの1年間は、水を定期的に与えましょう。

Point5. 肥料は生長の流れがにぶいときだけで

生命力の強いユーカリ・ポポラスは基本的には肥料があまり必要ではありません。たくさん与えてしまうと、生長が過剰に促進されてしまい高木になる危険性も。生長スピードも一段と早くなってしまい剪定などの管理も大変になってしまうので、ユーカリ・ポポラスの生長の流れがにぶいときにだけ庭木用の緩効性化成肥料や有機肥料を与えるといいです。花が咲いたあとや実が付いたときにもリン酸(P)の多いものを与えましょう。

Point6. マルチングをして冬越し

極端な寒さに弱いユーカリ・ポポラスは、氷点下5℃を下回ってしまうと生長の流れが鈍くなり、休眠期に入ることもあります。地面が凍ったり、霜に当たったりすると株が枯れる場合も。冬の間は、腐葉土やバークチップなどで株周りをマルチングして暖かくし、冬越しさせましょう。

ワンポイントアドバイス

マルチングとは?

冬や真夏に外で植物を育てる場合、乾燥や保温対策としてウッドチップやバークチップ、腐葉土などを株周りに敷いて地表をカバーし、夏越しや冬越しをします。

剪定・・・鉢植えは2〜3年に、地植えは1年に1回のペースで

生長スピードが早いユーカリ・ポポラスは、放置すると見た目が悪くなるだけでなく、大きくなり過ぎてしまうことも。室内の観葉植物として鉢植えで育てている場合は、2〜3年に1回のペースで。庭で地植えで育てている場合は、1年に1回のペースで剪定しましょう。

ユーカリ・ポポラスの背丈が高くなり過ぎたときや、枝葉が混み合ったりしたときにも剪定をするといいです。

適切な剪定時期は3〜5月、9月

ユーカリ・ポポラスの剪定は、暖かくなって生長に勢いが付きはじめる3〜5月か、暑さが和らいだ9月ごろにしましょう。6月を過ぎたあとだと、湿気によって菌やウイルスが発生しやすく病気にかかることも。また、暑過ぎると枝の切り口から水分が過剰に抜けてしまい、枝枯れしてしまう場合もあります。

剪定のコツは枝を切り戻すこと

ユーカリ・ポポラスは、基本的に長く伸びた幹や枝葉を、枝分かれした箇所まで切り戻すような剪定で全体の樹形を整えます。ただし、太い幹や枝を切り詰め剪定し過ぎてしまうと、切った箇所から複数の枝葉が伸びて樹形が暴れる場合もあるので注意してくださいね!

  1. 遠くから見て、ユーカリポポラスの理想の高さや幅など、剪定するラインを決める
  2. 決めたラインから出ている幹を芯止めする
  3. 決めたラインから出ていて、樹形を乱すような幹や枝葉は全て、枝分かれした付け根で切り落とす
  4. 枝先から伸びる細かい枝葉を、好みの透かし具合に調節しながら切り戻す
ワンポイントアドバイス

芯止めとは?

樹木の中心にある主幹(主軸となる幹)の先端を切って、上に伸びようとする生長を止めることです。先端を切ることで、切った箇所のすぐ下の幹や枝に養分が流れるようになり、樹形を横に広げる役割があります。

ユーカリ・ポポラスを定期的に剪定しないと後悔することも…

庭に植え付けたユーカリ・ポポラスは、定期的な剪定ができていないと、高木になり過ぎて、手に負えなくなることもあります。伐採しなければならない場合もあるので、剪定は怠らずしっかりと行いましょう。

また、室内の観葉植物として育てているユーカリ・ポポラスは、枝葉が鬱蒼(うっそう)として、壁のような圧迫感のある木になってしまうことがあります。できるだけ、幹や枝の数を間引くように切り落とし、向こう側が見えるようにバッサリと剪定することが大事です。ためらって切らずにいると、次回以降の剪定が大変になってしまいます。

植え替え・・・2〜3年のペースで行う

太い根をたくさん出して、地面に浅く広げて大きくなるユーカリ・ポポラスは。2〜3年に1回のペースで植え替えをしましょう。鉢底穴や土の表面から根が出ているときにも一回り大きい植木鉢に植え替えします。

根鉢がパンパンになって土の表面が硬くなると、根詰まりを起こして枯れてしまいます。与えた水がなかなか土に染み込まなかったり、栄養を十分に吸収できず枯れてしまうこともあるので、定期的に植え替えましょう。

適切な植え替え時期は4〜8月

ユーカリ・ポポラスの鉢植えの植え替え時期は、生長が活発になる4〜8月ごろです。ただし、気温が35℃を超えるような猛暑日に植え替えをしてしまうと、ユーカリ・ポポラスの株に大きなストレスがかかる場合も。できるだけ、20℃前後の涼しい日に行いましょう。

植え替えの手順

Step1. ユーカリ・ポポラスを鉢植えから出す

鉢の中に根がたくさん詰まったユーカリ・ポポラスは、鉢をひっくり返して底を叩いたりすると簡単に抜けます。もしユーカリ・ポポラスの根鉢が抜けない場合は、無理に強く引っ張らず、ポットの側面を指で軽く押して、鉢と根鉢の間をほぐしてから慎重に抜きましょう。できるだけ根鉢を崩さず、やさしく扱うことがポイントです。

根鉢を無理に引っ張ってしまうと、ユーカリ・ポポラスの幹の樹皮がはがれてしまい、水やりや雨が降ったときの水分によって幹が壊死(えし)してしまい、株が枯れ込む場合もあります。

Step2. 根を切り戻す

根切りばさみやハンドシャベルを使って、ユーカリ・ポポラスの伸び過ぎた根を、前年と同じくらいの長さまで短く切り戻します。このとき根から吸い上げた水分量と、葉から出る水分量が同じ量になるように、枝葉の数も間引きましょう。

Step3. ユーカリ・ポポラスを新しい鉢植えに植え替える

一回り大きい鉢を用意したら、鉢底に用土を薄く敷いて元肥を入れます。鉢の中心に根鉢を置き、ユーカリ・ポポラスの根鉢の高さを調整しながら、用土を足し入れましょう。水をたっぷりと与え、指先や手のひらを使って土の表面を軽く押します。株が倒れないように、周りの土を寄せるようにしてユーカリ・ポポラスの木を固定させましょう。

ユーカリ・ポポラス

花言葉 再生、新生、追憶
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です
日当たり 日光を好みます。明るい場所で管理しましょう。
耐暑性 強い
耐寒性 -5℃程度まで管理可能
注意点 乾燥気味を好むので、水の与え過ぎによる根腐れに注意

ユーカリ・ポポラスが枯れる原因とその対処法

日本とは全く違う環境で育つユーカリ・ポポラスは、環境の変化や管理の悪さによってストレスを受けしまい、株が枯れることもあります。ここでは、ユーカリ・ポポラスが枯れる原因とその対処法について紹介します。

まず、ユーカリ・ポポラスが枯れる原因は、主な3つがあります。

  • 寒暖差によるストレス
  • 多湿な環境で管理している
  • 水の与え過ぎ・水切れ

それぞれについて、このあと詳しく解説します。

1. 寒暖差によるストレス

植物の中でも、比較的寒さや暑さに強いユーカリ・ポポラスですが、気温の変化の激しい場所では、葉の色が悪くなったり、株が枯れたりする場合も。夏は高温にならないように日除けを、冬は毛布で鉢を巻くなどして夏越し・冬越しをしましょう。

2. 多湿な環境で管理している

乾燥した場所で元気良く育つユーカリ・ポポラスは、多湿な環境では病気になりやすかったり、根腐れを起こしたりして枯れてしまう場合もあります。

室内で育てる場合は部屋を密閉せず、窓やドアを開けて空気の流れをつくりましょう。風通しが良くなり、土がよく乾きやすくなります。また、湿気がこもりやすい日は、サーキュレーターや扇風機を設置して、空気が停滞しないようにします。

庭で育てる場合は、日陰があまりできなくて湿気がたまりにくい場所に植え付けましょう。

3. 水の与え過ぎ・水切れ

過剰な水やりや、水の控えは、ユーカリ・ポポラスの木に大きなストレスを与えます。根腐れや水切れが起こり、水を体内に取り込むことができないため、株が徐々に枯れてしまいます。

定期的な水やりが大切ですが、季節よって生長の流れや土の乾き具合などが違うので、季節ごとに合わせた水やりを心がけましょう。

ユーカリ・ポポラスのおすすめの飾り方

ユーカリ・ポポラスを室内に飾ってみたいけど、どうやっておしゃれな部屋になるようにコーディネートしたら良いか、わからないこともあると思います。せっかく購入したユーカリ・ポポラスだからこそ、適切な場所に置いて印象ある空間を演出したいものです。

ここでは、ユーカリ・ポポラスのおすすめの飾り方について3つ紹介します。

  • 縦のラインを強調するようにユーカリ・ポポラスを置く
  • 壁飾りの真下にくるようにユーカリ・ポポラスを置く
  • デスクの横や窓際にユーカリ・ポポラスを置く

縦のラインを強調するようにユーカリ・ポポラスを置く

正方形や長方形など、直線的で角張ったようなデザインが多い現代のインテリア。ユーカリ・ポポラスなど、背の高い観葉植物を飾る場合は、真っ直ぐと伸びる縦のラインを崩さずに配置することがポイントです。

例えば、部屋の四隅には床から天井まで壁の縦のラインが見えます。その縦のライン上にぴったりとユーカリ・ポポラスがあわさるように配置しましょう。上に真っ直ぐと生長するユーカリ・ポポラスなら、ラインを強調し、部屋のスタイリッシュさにより磨きがかかります。

背が低いユーカリ・ポポラスの鉢なら壁に寄せたテレビボードの上に置くなどして、ラインを見せるように配置するといいです。

壁飾りの真下にくるようにユーカリ・ポポラスを置く

室内に絵画や写真、小物など壁飾りを飾っている場合は、ものの真下にユーカリ・ポポラスを飾って、作品をより強調させましょう。床から壁飾りへと自然に視線が流れ、印象ある部屋を演出してくれます。

部屋の角隅と同じように、縦のラインを意識して飾ることで、統一感とアイポイントが生まれ、壁飾りが強調されます。

また、小さな壁飾りが複数ある場合は、できるだけ1箇所にまとまるように飾りましょう。壁のあちこちに不規則に飾ってあると、散らかったように見え、部屋が狭く感じることもあります。

ただし、2mを超えるような絵画などの壁飾りの場合は、真下にユーカリ・ポポラスを飾ってしまうと邪魔になったり、汚く見えたりすることも。壁飾りだけで存在感があるので、シンプルに何も置かない方がいいかもしれません。

デスクの横や窓際にユーカリ・ポポラスを置く

背丈が1.5m以上の高いユーカリ・ポポラスは、デスクやイスの横、窓際などに並べるように飾ると機能性を持たせることができます。

背が高いユーカリ・ポポラスは、パーティションやカーテン代わりとなり、外からの視線を感じにくくなります。また、背が高くて、葉がたくさんあると防音効果も期待でき、窓の外から聞こえる雑音を軽減することもできます。

まとめ

室内や庭で育てられて、おしゃれなシンボルツリーにもなるユーカリ・ポポラス。生育旺盛な面があり、定期的な剪定をしないと管理が大変になることもありますが、きちんとケアをしてあげることで、部屋や庭で長く観賞できます。

また、気温の寒暖差には弱く、枯れてしまうこともあるので、季節ごとにあわせた水やりや鉢の移動など対策をすることで、ぐんぐんと大きく生長し、花や実を観賞できるユーカリ・ポポラスになります。長く育てることで、生長の変化にも気づけるようにもなり、ケアがより楽しく、リラックスのできる部屋を演出できるでしょう。

ぜひ、爽やかな香りが感じられるユーカリ・ポポラスを育てて、より身近に楽しんでください。

ユーカリ・ポポラス

花言葉 再生、新生、追憶
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です
日当たり 日光を好みます。明るい場所で管理しましょう。
耐暑性 強い
耐寒性 -5℃程度まで管理可能
注意点 乾燥気味を好むので、水の与え過ぎによる根腐れに注意

ユーカリ・ポポラスに関するよくある質問

ユーカリ・ポポラスの風水効果は?

丸い葉が出て、下向き垂れるように伸びるユーカリ・ポポラスは、「調和の気」と「陰の気」をもちます。気分を落ち着かせるパワーが強く、リラックス効果をほかの植物よりも期待できる樹木です。さらに、「出会い運」を司る植物なので、玄関に置けば、新しい出会いがあり、良縁を築けるパワーもあります。

ユーカリ・ポポラスを育てて後悔することはある?

おしゃれな雰囲気があり、ハーブやドライフラワーにもなるユーカリ・ポポラスは、ハイセンスなインテリアとなる観葉植物です。しかし、庭で育てるユーカリ・ポポラスは、管理がしっかりできていないと、後悔することもあります。
ポットから地面に植え付けたユーカリ・ポポラスは、鉢植えで育てるものよりも生長スピードが早まり、1年で約50cm以上伸びることも。1年に1回の剪定がとても大切なので、放置せずにケアを続けることがポイントです。
ケアを怠らなければ、購入してから後悔することはあまりないかと思います。

ユーカリ・ポポラスは挿し木で増やせる?

ユーカリ・ポポラスは挿し木でも増やせる植物といわれることもありますが、発根させるのはとても難しいです。切花などフラワーアレンジメントで販売されているものは、枝から切られてから時間が経っているため、さらに難しいです。

剪定をしてからすぐに、挿し木にすると発根しやすく、失敗するリスクも減るといわれることもあります。

挿し木にする場合は、新しく伸びた元気なユーカリ・ポポラスの枝葉を切って「挿し穂」をつくるといいです。長さ15〜20cm程度の枝葉の先端を切り、3〜6枚ほど葉を残して挿し穂をつくります。

たっぷりと湿らした、水はけの良い土に挿したあと、乾かさないように半日陰になる場所で管理すると、数ヶ月後に発根することがあります。

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