フランスゴムの木の育て方とおすすめの飾り方について

地面からなめらかな曲線を描くように幹が伸び、枝先から丸みのある鮮やかな緑の小さな葉をたくさん出し、ふわりとした姿になるフランスゴムの木。無数に枝分かれした枝から、小さな鳥が舞うように葉が展開する姿が美しく、洋風や和風の部屋になじみます。剪定(せんてい)や植え替えなど育て方が簡単で、室内のシンボルツリーや観葉植物におすすめです。

今回は、フランスゴムの木の特徴や魅力についてたっぷりと紹介します。さらに、枯らさないための育て方のコツや適切な剪定(せんてい)の時期と方法、植え替えの仕方、室内でのおすすめの飾り方などについても解説します。

フランスゴムの木

花言葉 永遠の幸せ
初心者向き 初心者にも大変育てやすい植物です。
日当たり 日光を好みます。日陰も飼育可能ですが、できるだけ明るいお部屋でお楽しみください。
耐暑性 強い
耐寒性 やや弱い。最低10℃程度
注意点 カイガラムシがつきやすいので、葉水はマメに行いましょう。

目次

フランスゴムの木の基本情報

学名 Ficus rubiginosa
英名 Rusty fig、Port Jackson fig
別名 フィカス・ルビギノーサ
科名・属名 クワ科・イチヂク属
特性・形態 常緑性小高木
樹高 1〜30m
原産地 オーストラリア東部(クイーンズランド州北部からニューサウスウェールズ州南部)
USDA zone 10a(-1.1〜1.7℃までなら耐えられる)
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
耐陰性 強い
特徴 半着生植物、生長スピードがやや早い
花言葉 永遠の幸せ

フランスゴムの木は、冬に葉を一斉に落とさない常緑性小高木。オーストラリア東部の海岸部に沿って自生し、海岸の崖沿いや熱帯雨林に生息する樹木です。高温多湿な場所を好みますが、乾燥にも強く水はけの良い土で元気よく生長します。

クワ科フィカス属に分類するゴムの木やイチヂクの仲間で、大きくなると樹高が30mにもなる場合も。自然界では成木になると、幹や枝からたくさんの「気根(こきん)」と呼ばれる根が地面まで長く伸び、まるで滝が流れ落ちるような原生的な姿になります。

1804年にフランスの植物学者によって発見されたことから、和名では「フランスゴムの木」と名付けられたとされていますが、学名である「フィカス・ルビギノーサ(Ficus rubiginosa)」の別名でも呼ばれることも。

ワンポイントアドバイス

USDA Plant Hardiness Zoneとは?

United States Department of Agriculture Plant Hardiness Zone(米国農務省 植物の耐寒性地帯)の略。米国農務省が開発した、寒さの段階を13のレベルに分け、植物の耐寒性レベルを数値とマップで明瞭化した指標です。造園やガーデニングをするうえで、植物がどの地域で、どれくらいの寒さまで耐えられのかを確認するために使います。日本では気象庁の観測データを元に、都道府県市町村ごとにレベル分けされています。
※指標は、植物を屋外で育てたときの目安。
参考:Japan Plant Hardiness Zone

  • 観賞期:5〜8月(花)
  • 結実期:11〜12月
  • 植え付け、植え替え:5月下旬〜9月中旬
  • 肥料:4〜10月
  • 剪定:5月下旬〜9月中旬

フランスゴムの木の葉・花・実の特徴

ここではフランスゴムの木の葉・花・実の特徴について紹介します。

フランスゴムの木の葉…裏面に鉄さびのような産毛が生えている

オーストラリアに自生する原種のフランスゴムの木は、楕円形(だえんけい)の葉の裏面に鉄さびのような色をした産毛がびっしりと生えています。原種を品種改良して誕生したフランスゴムの木には、その特徴があまりはっきりと出ることは少なく、薄い黄緑をしています。

葉の表面は、革質で光沢のある濃緑色で、長さ3〜10cm程度まで大きくなります。葉や枝などちぎったりったりすると、白い乳液が出ることも。肌に触れるとかぶれることもあるので、剪定をするときなどは注意しましょう。

フランスゴムの木の花…黄色いイチジクの実のような姿

クワ科イチジク属に分類されるフランスゴムの木は、フルーツでおなじみのイチヂクと同じ「花嚢(かのう)」と呼ばれる実のような黄色い花を咲かせます。フランスゴムの木は一般的な「花」が咲くのではなく、花軸(かじく)といわれる花の首が大きく膨らんで袋状になり、その内側に小さな花びらを持たない花をたくさん付けます。

一見外からでは実が付いているように見えますが、葉の付け根あたりに黄色い実(花嚢)が付いているときは、フランスゴムの木の花が咲いている瞬間です。

フランスゴムの木の木の実…赤く熟す

袋状になった花嚢を付けたフランスゴムの木は、自然界では「コバチ」と呼ばれる小さなハチの仲間と共生関係にあります。花嚢の穴に入れるコバチは花粉を運び、受粉をしたフランスゴムの木は「果嚢(かのう)」と呼ばれる実を付けます。直径8〜10mmほどの球体状の実は、イチヂクよりも小さく、熟すと黄色から赤色へと変色します。袋状になった実の中にはたくさんの種が、内側の壁面に密集して付いています。

フランスゴムの木の花言葉は「永遠の幸せ」

フランスゴムの木の花言葉は、「永遠の幸せ」です。

フランスゴムの木の魅力

ここでは、フランスゴムの木の3つの魅力について紹介します。

  • 樹形がスタイリッシュでおしゃれ
  • 室内シンボルツリー・機能性のある観葉植物になる
  • 恋愛運の風水効果が高い

1. 樹形がスタイリッシュでおしゃれ

地面から一本の白みがかった灰色の幹が、緩やかなカーブを描くように伸びるフランスゴムの木。個体によって違いますが、「曲がり」で仕立てられたものが多く、幹の形や枝葉の伸び方が違うので、上品で美しい樹形を楽しめる観葉植物です。

スリムでスタイリッシュな樹形は、インテリア性も高く、木製の家具やカラフルな色合いが多い北欧スタイルや、ヴィンテージ感の強いミッドセンチュリースタイルなどの部屋によくなじみます。

植木鉢のデザインや仕立て方によってフランスゴムの木の雰囲気が変わるので、インテリアのテイストにあわせて好みのものを選べる魅力もあります。

2. 室内のシンボルツリー・機能的性のある観葉植物になる

おしゃれな樹形に仕立てられたものが多いフランスゴムの木。背が高くなり、丸みのある楕円形の葉もたくさん出るようになるので、室内のおしゃれなシンボルツリーになります。

また、幹が太くなり、たくさんの枝葉を出すように伸びるので、窓際に置けば目隠し効果のある観葉植物に。さらに、外からの騒音を軽減できる防音効果を得ることも可能です。

3. 恋愛運の風水効果が高い

丸い葉をたくさん出すフランスゴムの木は、風水では「調和の気」とされ、リラックス効果が高く、気を整えるパワーがあるといわれています。寝室などに置けば乱れていた気が整い、快眠のできる穏やかで落ち着いた空間を演出できます。

また、良縁を引き寄せる効果があり、恋愛運を上げるパワーが強いといわれることも。良い気や悪い気など、さまざまな気が出入りする玄関に飾ると、新しい出会いがあったり、良い人間関係を築けたりするかもしれません。

フランスゴムの木

花言葉 永遠の幸せ
初心者向き 初心者にも大変育てやすい植物です。
日当たり 日光を好みます。日陰も飼育可能ですが、できるだけ明るいお部屋でお楽しみください。
耐暑性 強い
耐寒性 やや弱い。最低10℃程度
注意点 カイガラムシがつきやすいので、葉水はマメに行いましょう。

フランスゴムの木の育て方

基本的に難しい管理があまりないフランスゴムの木ですが、間違った水やりをしてしまうと、根腐れを起こして枯れてしまうこともあります。

定期的にどのようなケアをする必要があるのかなど、フランスゴムの木の基本的な育て方を知っておきましょう。

育て方のポイント

ここでは、フランスゴムの木の育て方において、知っておきたい4つのポイントを紹介します。

  • 室内の日当たりの良い場所で管理
  • 水はけの良い土がベスト
  • 土の表面が乾いたら水やり
  • 活力剤を定期的に与える

Point1. 室内の日当たりの良い場所で管理

日陰に耐性があるフランスゴムの木ですが、日光が全く差し込まない暗過ぎる場所では生長不良を起こすこともあります。日光が全く差し込まない暗い場所に長時間置いてしまうと、幹や枝葉がひょろひょろと徒長したり、次第に葉が落ちたりして見た目の悪い姿になる場合も。

生長の流れが悪くならないように、窓際から離した直射日光が当たらない明るい場所で育てましょう。直射日光が差し込む場合は、カーテンやブラインドなどで、葉焼けを起こさないように遮光するといいです。

また、西日の当たり過ぎは、フランスゴムの木の幹や枝葉を徒長させることもあるので、東側や南側の方向の部屋に置きましょう。

夏と冬の置き場所

風通しの良い半日陰になる場所に置くと生長が良好なフランスゴムの木は、真夏の直射日光や極端な寒さには弱いです。夏と冬では、置き場所を変えて管理するのがポイントです。

夏は、午前中まではカーテンを開けた窓際に置き、午後を過ぎたら直射日光が差し込まない場所へ鉢を移動させます。風が通り抜けて涼しくなる部屋の中心部当たりに置くといいかもしれません。

ただし、冷暖房機の風が枝葉に直接当たり続けると、水分が過剰に蒸発してしまうので、壁や天井に跳ね返った間接的な風が当たるような場所に置きます。

冬は、午後ぐらいまで日光が当たって暖かい窓際周辺に置き、夜は窓際から離れた暖かい場所へ鉢を移動させましょう。冬の夜は気温が急激に低くなることもあるので、暖房を付けたり、窓に断熱素材を設置すると、フランスゴムの木の生長も活発です。

徐々に光、寒さ、暑さに慣らすことで、フランスゴムの木は環境の変化にも負けない、強い株へと生長します。

Point2. 水はけの良い土がベスト

フランスゴムの木は、観葉植物用の土で育てるのもいいですが、多肉植物用の土に腐葉土やバーク堆肥を少量混ぜ込んだものや、赤玉土と鹿沼土を混ぜ込んだものがおすすめです。ただし、乾くと硬くなる粘土質な土だと、根が呼吸しにくくなり根腐れを起こして株が枯れてしまうことも。できるだけ、水はけと水もちの良い土をつくって育てましょう。

また、赤玉土や鹿沼土だけを使った無機質な土では、養分がなく微生物も住んでいないので、肥料を与える必要があります。化学肥料だけ与えると植物は「酸化」をし、生長不良を起こしたり病害虫の被害にあいやすくなったりする場合も。悪循環な環境が生まれやすいので、赤玉土などの無機質な土を使う場合は、有機肥料と混ぜて使うといいです。

Point3. 土の表面が乾いたら水やり

比較的多湿な環境を好むフランスゴムの木は、土をカラカラに乾かさないように水やりをしましょう。土の表面が乾いたら、一度に水をたっぷりと与えます。土が乾燥と湿潤な状態になるようにを与えることで根腐れや水切れを起こしにくくなり、株が枯れてしまうこともあまりありません。

また、水を一度にたくさん与えることで、土の中にたまってしまった二酸化炭素を外に押し出し、新しい酸素を取り込むことができます。根腐れの防止にもなり、フランスゴムの木にとって清潔な環境を提供できます。

ただし、水をちょろちょろと何度も与えると土が乾きにくくなったり、十分に土に浸透しにくかったりして、根腐れや水切れを起こすことも。できるだけ、週1回ほどのペースで水やりをしましょう。

ちなみに、園芸において「日中に水やりをする」ことは、やってはいけないことの1つとされています。日中の暑い時間帯に水やりをすると、太陽の光によって鉢の中が高温多湿な環境になりやすく、根を傷めやすくなります。

多湿な環境が大好きなフランスゴムの木ですが、日本の真夏は気温が35℃を超えることが多く、土が湿ったまま窓際に置いていると暑過ぎて株に大きなストレスを与えやすいです。できるだけ、午後に水切れを起こさないように気温が低い午前中に水やりを済ませましょう。

夏と冬の水やり

少し湿った土で元気に生長するフランスゴムの木ですが、夏と冬では水やりのタイミングや回数を変えるといいかもしれません。

夏の場合は、長期的に乾燥した状態が続かないように、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。気温や湿度、置き場所によって違いますが、月に3〜4回程度の水やりで大丈夫です。

冬の場合は、生長の流れが緩やかになるので、土の中が乾いてから3日ほどたったあとに水をたっぷりと与えましょう。12〜2月ごろまでは、月1回ほどの水やりで土を乾かし気味にします。また、冬は水やりを極力減らすと、フランスゴムの木の樹液が濃くなり、寒さに耐性がつきます。

葉水や水拭きもする

オーストラリア東部の沿岸部に生息するフランスゴムの木は、定期的に葉水を行い、多湿で涼しい環境をつくりましょう。極端に乾燥してしまうと、葉が黄色や茶色に変色したり、葉焼けを起こしたりする場合も。

水が滴れるぐらいたっぷりと葉水を行い、最後にタオルで水拭きをするとゴミやチリを取り除け、きれいな状態を維持できます。

Point4. 活力剤を定期的に与える

色鮮やかな葉をたくさん出すフランスゴムの木は、肥料だけでなく活力剤も一緒に与えると、より美しい葉を出します。株の元気がないとき、夏越し・冬越しをするとき、植え替えや剪定作業をしたあとなど、フランスゴムの木にストレスがかかるようなときをはじめ、水やりをするときにも与えると生育が良くなり、たくさんの美しい丸みのある葉が観賞できます。

剪定・・・2〜3年に1回のペースで

フランスゴムの木は、生長すると株の内側の枝葉が混み合い、日当たりや風通しが悪くなります。放置すると見た目が悪くなるだけでなく、葉が茶色く枯れて落葉したり、病気・害虫の被害にあったりする場合も。

室内の観葉植物として鉢植えで育てている場合は、2〜3年に1回のペースで行い、樹高が高くなり過ぎたときや、枝葉が混み合ったりしたときにも剪定をしましょう。

基本的には、枝同士が絡み合った箇所、枯れた枝を取り除くように丁寧に剪定します。比較的強い剪定にも負けないので、大きくなり過ぎたときは、好みの高さで中心にある太い幹や枝を切っても問題がありません。

フランスゴムの木の適切な剪定時期は、5月下旬〜9月中旬

フランスゴムの木の剪定は、暖かくなりはじめる5月下旬〜9月中旬の間にしましょう。ただし気温が5℃以下になるような真冬の剪定は、フランスゴムの木にとって大きなストレスになります。新芽が出なくなってしまったり、株が枯れてしまう場合もあるので控えましょう。

剪定のコツは、株の内側に光が当たるよう枝を間引く

一本の太い幹(主幹)から、細い枝葉を伸ばしながら大きくなるフランスゴムの木。うまく剪定をしないと株の内側に光が当たらず枝葉が枯れて、見た目の悪い姿になることもあります。基本的に長く伸びた幹や枝葉を、枝分かれした箇所まで切り戻して、樹高を小さくし、新しい枝葉が伸びるようにしましょう。

ただし、太い幹や枝を節と節の間で切ってしまうと、切った箇所から無数の枝葉が伸びて樹形が崩れる場合も。必ず節の数ミリ上を切るようにしてください。

  1. フランスゴムの木の理想の高さや幅など、剪定するラインを決める
  2. フランスゴムの木の主幹から伸びる枝の透かし剪定
  3. フランスゴムの木が大きくなり過ぎたときは、決めたラインから出ている枝葉を切り落とす
  4. 決めたラインから出ていて、樹形を乱すような幹や枝葉は全て、枝分かれした付け根で切り落とす
  5. 枝先から伸びる細かい枝葉を、好みの透かし具合に調節しながら切り戻す

生育が悪くならないように、以下のような不要な枝を枝分かれしたところまで切り戻します。フランスゴムの木の枝を切るときは、必ず切り口がきれいになるように、切れ味の良い剪定ばさみを使いましょう。

  • 内向枝|株の内側に向かって伸びる枝
  • 交差枝|枝同士が十字に交差する枝
  • 絡み枝|太い枝に絡みつくように伸びる枝
  • 立ち枝|横に伸びている太い枝に対して、直立したように上に強く伸びる枝
  • 徒長枝|株から強く飛び出すように、太く長く伸びる枝
  • 平行枝|近い位置で平行に同じ方向へ伸びる枝
  • 逆さ枝|地面に向かって伸びる枝

植え替え…2〜3年に1回のペースで

生長すると鉢いっぱいに細い根が広がるフランスゴムの木。植え替えをせずに放置してしまうと、与えた水が土に染み込みにくくなり、水分や栄養を十分に吸収できなくなったり、根詰まりを起こしたりして枯れてしまう場合も。

鉢植えでフランスゴムの木を育てている場合は、2〜3年に1回のペースで植え替えをしましょう。鉢底穴や土の表面から根が出ているときや、根がパンパンに伸びて土の表面が硬くなったときにも一回り大きい植木鉢に植え替えします。

フランスゴムの木の適切な植え替え時期は、5月下旬〜9月中旬

フランスゴムの木の鉢植えの植え替え時期は、暖かくなりはじめた5月下旬〜9月中旬ごろです。ただし、真夏の気温が35℃を超えるような猛暑日に行ってしまうと、フランスゴムの木の株がストレスを受けてしまうので避けるようにしてください。

植え替えの手順

Step1. 鉢植えからフランスゴムの木の根鉢を丁寧に出す

鉢の中に根がたくさん詰まったフランスゴムの木は、鉢を逆さまにして底を叩くと簡単に根鉢が取り出せます。もし根鉢が取り出せない場合は無理に引っ張らず、ポットの側面を軽く押して鉢と根鉢の間をほぐしてからやさしく取り出しましょう。ポットの側面が押せない場合は、ハンドシャベルを土とポットの間に挿して隙間をあけると、株を傷つけずに根鉢を取り出せます。

ただし、根鉢を強引に強く引っ張ってしまうと、フランスゴムの木の幹の樹皮がはがれてしまい、水やりをしたときに、付着した水分によって幹が壊死(えし)して、株が枯れてしまう場合もあるので注意しましょう。

Step2. フランスゴムの木根鉢を崩して整理する

はさみやハンドシャベルを使って、フランスゴムの木の伸び過ぎた根を前年と同じくらい長さまで短く切り戻しましょう。このとき、根から吸い上げた水分量と、葉から出る水分量が同じぐらいの量になるように、枝葉の数も減らすといいです。

Step3. 一回り大きい鉢にフランスゴムの木を植え替える

一回り大きい鉢の底に土を薄く敷き、一握り程度の元肥を入れます。鉢の中心に根鉢を置いたら、フランスゴムの木の根鉢の高さを調整しながら土を再度足し入れていきます。

最後にたっぷりと水を与え、指先や手のひらを使って土の表面を軽く押します。株が倒れないように、周りの土を寄せるようにしてフランスゴムの木の株を固定させましょう。

病害虫対策…風通しをよくすること

ほかの観葉植物と比べると、病害虫の被害にあいにくいフランスゴムの木ですが、日当たりや風通しの悪い場所で管理しているると、繁殖した菌やウイルスによって病気を起こしたり、カイガラムシやハダニといった害虫の被害にあうこともあります。

極端に葉や土が乾燥する場所や、湿気が多くたまる場所では病害虫の被害にあいやすいので、窓やドアを開けて風通しを良くましょう。

病気

黒点病(黒星病)

比較的4〜11月ごろにかけて、葉の表面に黒褐色の斑点が現れ、次第に症状が悪化すると黄変し落葉します。株周り土に病原菌が潜んでいて、水やりや屋外に置いたときの雨の水が跳ね返って付着したことによって下部の葉から感染し、株の上部にも伝わることがあります。水やりのときは土にやさしくかけたり、雨の日は屋内に取り込んだりしましょう。病気が発症した場合は、感染した葉を取り除き、木酢液や薬剤を散布します。

すす病

春から秋ごろにかけて、葉の表面が黒いすすのようなカビが一面に生えます。放置すると株全体に広がり、光合成を阻害したり、生長不良を起こしたりします。ハダニやカイガラムシの排泄物によって発病するので、定期的な掃除や害虫対策が大切です。

害虫

ハダニ

1年を通して葉の表裏に発生しやすい吸汁性の害虫。風通しが悪くて乾燥した場所に発生し、葉の養分を吸汁します。放置をするとコロニーを形成し大量に繁殖し、落葉の原因になる場合も。定期的な葉水や剪定をしますが、大量に発生した場合は薬剤で対処するといいです。

カイガラムシ

1年を通して葉・枝・幹に発生しやすい吸汁性の害虫。成虫になると甲羅が硬質化し、薬が効きにくくなります。できるだけ薬の効く幼虫のうちから、薬剤散布を行うといいです。成虫は歯ブラシや軍手を使って擦るようにして補殺します。

フランスゴムの木の葉が落ちる原因

生命力の強いフランスゴムの木ですが、環境の変化や間違った育て方によってストレスを受けしまい、株が枯れてしまうこともあります。ここでは、フランスゴムの木が枯れる原因とその対処法について紹介します。

まず、フランスゴムの木が枯れる原因は、主な3つがあります。

  • 気温が低過ぎる
  • 水やりによる根腐れ・水切れ
  • 風通しの悪さ
  • 生理現象によって

それぞれについて、このあと詳しく解説します。

1. 気温が低過ぎる

寒さに弱いフランスゴムの木は、気温が10℃を下回ってしまうような場所で長期的に管理していると株が枯れてしまうこともあります。また、生長の流れがにぶくなり、水やりのタイミングや回数なども変わってしまうので、管理が難しくなる場合も・

株が枯れてしまうこともあるので、冬の間は暖かい室内で管理し、15℃以上を目安にして育てましょう。ただし、夜は外からの冷気を感じやすいので、窓際から離した場所で管理してください。

また、気温の変化が激しい場所で管理していると、葉の色が悪くなったり、株が枯れたりすることもあります。夏は高温にならないように日除けを、冬はダンボールに入れたり、毛布で鉢を巻いたりして夏越し・冬越しをしましょう。

2. 水やりによる根腐れ・水切れ

過剰な水やりや、水の控えは、フランスゴムの木に大きなストレスを与えます。根腐れや水切れが起こり、水を体内に取り込むことができないため、株が徐々に枯れてしまいます。定期的な水やりが大切ですが、季節よって生長の流れや土の乾き具合などが違うので、季節ごとに合わせた水やりを心がけましょう。

3. 風通しの悪さ

風通しが悪くなると、フランスゴムの木の葉が突然落ちたり、葉が黄色くなったりします。酷い場合には、病害虫の被害にあうことも。

室内で育てる場合は部屋を密閉せず、空気の流れができるように窓やドアをあけましょう。風通しが良くなり、湿気がこもりにくく、土がよく乾きやすくなります。また、湿気がこもりやすい日は、サーキュレーターや扇風機を設置して、空気が停滞しないようにするといいです。

4. 生理現象によって

観葉植物の葉がときどき落ちる場合は、単純に葉の老化や生理現象かもしれません。

そもそも、植物の中に落葉せずに永遠に生きる葉というもの存在せず、「常緑樹」とは1年中緑に見える木ということを意味しています。常緑樹と冬に葉を一斉に落とす落葉樹と比べると、常緑樹の方が寿命が長いこともわかると思います。針葉樹に分類されるマツの種には、40年以上木に付いているものもあるようです。

常緑広葉樹であるフランスゴムの木は、冬の間もわずかながら光合成を続けていた古い葉を、新芽が出るころに一斉に落とします。そのため、葉がたくさん落ちたように見えることもあります。

フランスゴムの木のおすすめの飾り方

スタリッシュでおしゃれな樹形とかわいらしい葉が相まった姿が美しいフランスゴムの木は、鉢カバーを変えるだけでも印象が良くなります。

ここでは、フランスゴムの木のおすすめの飾り方について3つ紹介します。

  • 角隅や柱にあわせて飾る
  • 背の高いフランスゴムの木はソファーの横に
  • プランツテーブルを設置して飾る

角隅や柱にあわせて飾る

正方形や長方形など、直線的でスタリッシュなデザインが多い現代のインテリア。すでに複数の家具が置いてあり、ものがあまり置けない場合は、壁の角隅や柱など下から上まで真っ直ぐと伸びる縦のラインを崩さずに、フランスゴムの木を配置してみましょう。

例えば、部屋の四隅は、床から天井まで壁の縦のラインがあります。そのライン上にぴったりとフランスゴムの木があわさるように配置してください。上に真っ直ぐと生長するフランスゴムの木ならラインを強調し、部屋のスタイリッシュさにより磨きがかかります。

また、入口から奥の壁までは、導線が1本の線で繋がるようにゾーニング(配置)計画しましょう。人が歩きやすい空間がつくれ、家事など作業がしやすくなります。できるだけ、部屋の角隅に家具や観葉植物がまとまるようにレイアウトすると、広々とした開放的な空間を再現できます。

背の高いフランスゴムの木はソファーの横に

樹高が1m以上になるフランスゴムの木は、ソファーやイスの横に置いて飾りましょう。座った見上げたときに、フランスゴムの木の枝葉が天井との間にあると、錯覚によって天井が高く見え、空間が広く感じられます。

ソファなどの家具もより強調されやすいので、印象深いおしゃれな空間を実現できます。

プランツテーブルを設置して飾る

フランスゴムの木を床に飾る場合は、板に穴があいた「プランツテーブル」を鉢の上にセットして、機能性を持たせてみてください。テーブルという機能をもたせることで、サイドテーブルなど家具を置く必要がなくなり、空間を広く見せることができます。

さらに、余ったスペースは有効的に使うこともできるので、自由にコーディネートしやすくなるでしょう。おしゃれなカフェテーブルのような部屋を演出できるのでおすすめです。

まとめ

軽やかに伸びる樹形と、蝶が舞うように展開する葉が美しいフランスゴムの木。室内のシンボルツリーとなるような上品なたたずまいで、印象的なインテリアをコーディネートできます。

個体によって「曲がり」など、さまざまな樹形があり、インテリアのテイストにあわせて好みのものを選べば、個性的でハイセンスな部屋づくりもできるかもしれません。

また、フランスゴムの木は初心者でも育てやすく、水やりや植え替えの頻度が少なくて、管理の手間があまりかからない観葉植物です。植物の管理に不安な方でも、安心して育てられる樹木なので、室内の観葉植物におすすめです。

ぜひ、フランスゴムの木を室内で育てて、より身近に楽しんでください。

フランスゴムの木

花言葉 永遠の幸せ
初心者向き 初心者にも大変育てやすい植物です。
日当たり 日光を好みます。日陰も飼育可能ですが、できるだけ明るいお部屋でお楽しみください。
耐暑性 強い
耐寒性 やや弱い。最低10℃程度
注意点 カイガラムシがつきやすいので、葉水はマメに行いましょう。

フランスゴムの木に関するよくある質問

フランスゴムの木の風水効果は?

隠の気をもつフランスゴムの木は、恋愛運だけでなく金運をアップさせる効果があります。金運を司る西の方角に置くことで、よりお金がたまりやすく、開運のパワーを得ることができるでしょう。

フランスゴムの木の冬越し対策法は?

寒さに弱いフランスゴムの木は、気温が10℃以下の状態では生長不良を起こす場合もあります。できるだけ15℃以上の環境をつくることが最適です。冬の間は、鉢植えの表面をマルチングしたり、鉢を毛布で包んで保温したりして防寒対策をしっかりと行いましょう。

フランスゴムの木とゴムの木の違いは?

フランスゴムの木とは、ゴムの木の一種で同じ種族です。ゴムの木と呼ばれる植物は、フィカス(イチヂク)属に分類する樹木で、葉・花・実の形状や生長の仕方が同じです。そのため違いはなく、品種によって葉の色合いや大きさなどが違う点といえます。

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